転職するタイミングはいつがベスト?年齢やおすすめ時期による機会の変化

転職は「いつ」がベストタイミングなのか。せっかくリスクを背負うのであれば機会損失はしたくないし、メリットが一番大きいベストタイミングで転職をしたい。そのように考える方も多いと思います。本記事では先々のキャリアを見渡した時に何歳くらいで転職をするのがよいのかという年齢に関する疑問と、企業の採用活動を考えたとき何月くらいに転職をするのが良いのかという時期的な疑問とその両方について解説していきたいと思います。

さらに転職をするにあたり現職へ伝えるタイミングやその他考えておくべきことまで疑問に答えます。

目次

転職を考えるべきタイミングとは

まず初めにお伝えしたいこととして転職を考えるべき最も大事なタイミングはあなたの中の内発的動機(自分の内面に沸き起こった興味関心や意欲)によって見出されるべきものということです。

もちろんきっかけが上司や同僚との人間関係やあまりにも過酷すぎる労働時間などネガティブな側面によってスタートすることも多々あります。

しかし実際に転職活動をし始める時にはこのネガティブな要素の裏にある「本当は自分はこういうことがやりたかった」「このような働き方が良かった」と言ったような自分自身が理想とする仕事や働きからにもスポットを当ててあげましょう。

自分が将来したいことやどうなりたいと言った理想像、はたまた将来に対する漠然とした危機感から考え抜いた結果、今このタイミングで転職をするべきだと自らが腹落ちしたタイミングこそが、転職の最も適切なタイミングということです。これは誰に何を言われるものでなく自分自身で気がつくべきものなので些細な違和感やモチベーションの変化といったきっかけにアンテナを立てておくことが大切です

時期や年齢といったタイミングの考え方ももちろん大事ではありますがその前に自らの内発的動機に基づいてタイミングを把握し、自分の判断で将来を決めていくというのがキャリアを作る上では非常に重要だということを覚えておいていただければと思います。

余談ですが一般的に第二新卒と呼ばれる、新卒入社から1年から3年程度での転職を考えている方に関して、いまこのタイミングが適切かどうか悩む方も多いと思いますが比較的短期の離職であっても、転職の目的自体が明確であれば問題はないでしょう。(明確な目的がない転職をしようとしている場合は現職にとどまることをおすすめすることも多々あります。)

年齢・年代による転職機会の変化

上のグラフをご覧ください。これは企業が20代・30代・40代・50代と各年代で選考時にどのようなバランスでスキル・経験や仕事の成果、人間性やスタンス、地頭といったものを見ているかを表したものです。(あくまでも筆者の感覚値です)

このグラフを見ておわかりいただける通り、もしあなたが未経験の職種や業種へスキル・経験以外のポテンシャルを評価してもらう転職を考えているであれば早めの方が好ましいです。一般的に3年は一つの会社で経験しないといけない、というような考え方もありますが一概にそうとも言えません。第二新卒として転職するのであれば新卒で入社した会社のカラーに染まってない方が良いのでなるべく若い人が欲しいということもあります。

ここでは求人数のボリュームとして多くの業種・職種で経験年数3年から10年程度、20代中盤から30代前半が多い傾向にある、ということだけ頭に入れておきましょう。

なお、スキル・経験を活かして転職を考えているのであれば、年齢という観点もありますが、そもそもの会社組織の構造上の問題として40代・50代に入ってくると、ポスト・ポジションが限られてくることを意識しておいた方が良いでしょう。

ただし機会が減少するだけで転職ができなくなるということではありません。一般的に35歳転職限界説というものがありますが実際に私が転職支援をさせていただいた方の約半数は35歳以上で、中には50代の方もいらっしゃいます。年齢よりも転職をするタイミングまでにどのような仕事でどのような成果実績を出してきたか、といったことの方がよほど重要です。

男性・女性で転職を考えるタイミングは違う

次に性別の違いです。特に20代、30代の女性の転職には年齢による注意すべきポイントがあります。それは30歳前後の女性はライフステージに変化が訪れやすいタイミングである、と面接を受ける会社からは見られているということです。もちろん結婚や出産によってキャリアの機会が限られることはあってはならないことだと思います。しかし、いまだにそう言った観点から判断をしてくる会社が多いのもまた事実です。

20代中盤から後半(25〜27歳程度)にかけての転職を考え始める女性が多いのも、結婚や出産といったライフステージの変化を踏まえて考えたときに、転職先の会社での仕事に十分慣れ、自分のポジションを確保するために2〜3年必要であろうという考えから逆算した結果だと思います。

男性の場合は結婚したとしても、子供ができたとしても、自分が働き続けるのは変わりないという意識が強いため、ライフステージの変化でキャリアを考えることは少なく、30歳、35歳といった節目の年齢で考えられる方が多い印象です。また、30代後半になって子供に自分の仕事の説明をする機会があったりすると、「本当に自分のやりたい仕事はこれなのか」とこれまでのキャリアや本質的なやりがいについて考え始める方が出てくることも特徴的かもしれません。

しかしながら上のグラフで説明した通り男性でも40歳前後になると業種や職種といったキャリアの軸をずらすことが難しくなるほか、年収等の条件面で妥協できなくなることも多い(生活レベルを変えられない)ため男性こそ先々のキャリアを見据えて早めに見通しを立てておくことが必要です。

何月に辞めるのがおすすめなのか?時期による採用ニーズの変化

次に企業の採用活動の観点(求人数の変化)においてどの時期が一番転職に向いているのかというのにお答えしていきたいと思います。

一般的に日本の多くの企業は3月末決算です。このような会社の場合、4月、10月に大きな人事異動が生じがちです。中途採用は事業の状況を見ながら予算策定を行ない、どのポジションにどの程度の人数を採用して行くか決めていきます。おおよそ人事発令の数週間からひと月前に不足人員が見えてくるので、これを踏まえて考えると、最も採用ニーズが強いのは3月から4月、9月から10月ということになります。

当然一年を通じて退職する社員も出てきますのでそれに合わせて採用の枠は増える可能性はありますができる限り多くの機会から選びたいという方であればこのタイミングを狙うのが良いでしょう。

ただし、中途採用は新卒採用違い特定の時期に一気に採用をするというものではないため、みなさん自身が検討したいポジションがオープンしているタイミングがベストなタイミングです。そのためにも転職を検討しているひとは転職サイトに情報を登録しつつ、常にアンテナを立ててチェックをしておく気構えが必要です。

転職活動をスタートするタイミングと会社に退職を伝えるタイミング

まず転職活動を開始するのは会社を辞める前、働いているうちにスタートすることがベストです。退職をしてから転職活動をしないと時間が取れないという方もいらっしゃいますが離職後に転職活動をするのはできる限り避けた方が賢明です。離職をすると当然収入もなくなるため貯蓄が目減していきます。これが焦りにつながり、妥協をして転職先を決めてしまう、ということに繋がりかねません。

そのため転職活動は次の会社で働くのをスタートしたい月の4ヶ月程度前から開始することがおすすめです。コロナ禍において多くの企業は面接を対面からオンラインに切り替えているため、候補者の方にとって面接の時間を確保しやすく、選考の進捗が早くなっている傾向もありますが最低でも1〜2ヶ月程度はかかります。

さらに仕事の引き継ぎや退職交渉、有給の消化を考慮に入れるとそれらにも2ヶ月程度は必要となることが多いため、合計で4ヶ月程度見込んでおくと良いでしょう。

また会社に退職意向を伝えるのは意中の会社のオファー(内定)が出て、それを受諾したタイミング以降です。会社がいったん「内定」を通知した時点で法的には雇用する企業と雇用される人との間に労働契約が成立したと考えられます。内定取り消しは労働契約の解約、「解雇」にあたるため妥当な理由がない限りは認められません。(履歴書や職務経歴書に虚偽の記載があった場合はこれに限りません。)そのため内定を受諾をして、それを転職先の会社に伝えた日以降であれば問題ありません。

退職の意向を伝え、退職交渉をするのはなかなか心理的に負担がかかりますが結局は早めに現職に伝えた方が迷惑がかかりません。


Yuichi Takasaki/ Cantera Inc. founder。
HR領域において10年以上人事・ヘッドハンティングを経験。組織人事コンサルティングから若手〜CXOクラスへのキャリア支援まで幅広く活躍。リクルートグループには特に強いコネクションがあり、同社内でもトップクラスの実績を誇る。

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