20代前半・第二新卒の転職術 自らの選択を腹落ちさせるための判断軸の作り方

20代・30代のキャリアの成長戦略』でもお伝えした通り、一般的に第二新卒と言われる22、23歳から25、26歳くらいまでの年齢の方は社会人としての基礎能力やスタンスの醸成といったキャリアの素地を築く時期かつ今後あなたが注力していくべき領域(業種や職種)に目星をつける必要があります。今回はこのプロセスにおいて大事なポイントをまとめていきたいと思います。

目次

転職に対する自分なりの判断軸を持つ

キャリア支援をしているとこの「注力していくべき領域(業種や職種)」が見つからないまま転職活動をスタートしようとしている(スタートしている)方をよく拝見します。この状態で転職を考えている方はまずは一旦立ち止まりましょう。あなたにとって何が大事なのか、どの領域を選ぶと良いのかというお題に対して判断軸を持たないまま進んでいくことになるので失敗をする可能性が非常に高いと言えます。そのためこの判断軸をまずは作っていきましょう。

正直やることは就職活動の延長とも言えると思いますが一定の期間ビジネスに触れてきてはいるはずなので学生の時とは違う考えを持てるはずです。

年収や福利厚生といった待遇や、一緒に働く人、仕事のやりがいや顧客への貢献性、社会への貢献性といった仕事を選ぶ上で一般的に重要視されやすい項目を念頭に置きながら、現職を反面教師にしながらあなたの中での優先順位を決めるのも良いですし、そもそも現職での仕事が全くあわないものだった、当初想定していた業務内容とはかけ離れたものだったのであればリクナビネクストやマイナビ転職といった大手転職サイトなどを利用しながらある種ショッピング感覚であなた自身の興味関心、琴線に触れるようなポジションが何なのかを把握していくことも必要でしょう。

この過程において参考になる転職サイトはまた別記事でまとめていきます。またこちらの記事でも書いている通りあなたがこれまでの人生で培ってきた、もしくはそもそも持っている欲や大事にしている価値観から考え直すことも良いと思います。いずれのアプローチにしてもまず「自分はここでいったん戦っていこう」と思える領域を見つけ出すことが先決すべき事項です。仮に転職をする、となった場合この領域を目指すこと自体があなたの次のキャリアの目的(転職理由や志望動機)となります。

改めて転職をするべきか考える

情報収集や内省を通じてあなたなりのキャリアに対する判断軸を一旦作ることができたら次にすべきなのかは現職にとどまるべきか、それとも外の機会を目指すか、考えを腹落ちさせることです。

なぜもう一度考え直す必要があるかというと大前提として転職は就職活動を経てせっかく入社した会社でも自分の置かれている場所を手放すというあなたのキャリアにとってのリスクを生じさせるものだからです。

本当に現職の中ではあなたが目指したい領域に行き着くことができないのかを考えてみてください。可能性が極めて低い場合やそこに行き着くために膨大な時間を要する場合など、転職をするリスクと現職に残った場合の実現可能性を天秤にかけながらもう一度考えてみましょう。

またもう一つの観点として転職活動は体力や思考力、時間という点において非常にパワーがかかります。

応募したい求人を見つけ、履歴書、職務経歴書を作成し、面接を受けて、最後には現職に対して退職交渉までしなくてはなりません。おおよそ2ヶ月から3ヶ月かけて活動をすることになるため始めに考えが整理できていれば現職での業務にもっと注力でき、成果を出すことができるかもしれない可能性を潰してしまうことにもなるかもしれません。

また活動の最後に現職との退職交渉をした際に、現職にとどまることとバーターに年収アップや魅力的なポジションの提示をされることもあり、そこで判断の軸がぶれて結局現職に残ることになれば、あなたの転職活動に労した時間も応募した企業があなたにかけた時間も無駄になります。そういった無駄を極力さけるためにも、今一度いまこのタイミングで転職をすべきなのかどうなのかを考え直してみてください。

転職エージェントなど周囲のフィードバックを活用する

第二新卒はほぼポテンシャルで採用の合否が決まります。活動してみるとわかりますが新卒の就活の時と違い意外と「若くてがんばる意欲のある人であればぜひ欲しい」と企業側からのニーズが強いものです。そのためコミュニケーション能力に長けている方や学歴が高い方は内定が出やすかったりもします。

ここで重要なのは就職活動の時と同じミスを犯さないということです。第二新卒で転職活動をしている方はいわば現職に何かしらの理由で間違えて入社してしまっていることを認識していただければと思います。

仮にこのタイミングでの転職をして、次の会社でも今回と同様の理由で短期離職になってしまった場合、同じ間違いを繰り返している人、というレッテルを貼られてしまうため慎重に活動を進めていただければと思います。その際に必要なのは客観的にあなたのキャリアを見てくれる存在です。

転職エージェントをそのように利用するのも一つの手でしょうし、転職エージェントが煩わしい、めんどうだと感じられる方であれば、最近では「mento」のようにあなたの状況やニーズに合わせたコーチを付けるようなサービスを活用してみるのも良いでしょう。

なお、誰かしら客観的なフィードバックをくれる存在を作る際に大事なことは異なる視座や視点を持っている方を選ぶことです。転職活動を一人で進めていくと視野狭窄になりがちです。さらに人間の脳は正常性バイアスや確証バイアスと言われる自分の都合の良いように物事を捉える傾向を持っています。キャリアは変数も多く、不確実性も高いため多面的に捉え、考えていく必要があります。ぜひ自分と違った視点や視座を持ち合わせたサポーターを見つけてフィードバックを受けながら転職活動を進めていただければと思います。

この年代は新卒採用と同様、採用する企業もスキル・経験で判断がしづらく、学歴や新卒入社した企業の社格等などが良くも悪くも影響しがちです。転職を検討する際は明確な判断軸や転職理由の重要性が他の世代と比べても高いことを理解しながら準備を進めていただければと思います。

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