転職・キャリアアップに必須 自分の理想像の描き方

転職をする際や社内でキャリアを築いていく際に自分のありたい姿、なりたい像をイメージすることはとても重要です。しかし未来に関する話であるため、なかなかどう考えてよいか分からないという方も多いと思います。

転職支援をしている時にもここでつまずいてしまう方を多く見受けます。しかしある程度イメージできないとどのようにステップアップしていけば良いのか、そのプロセスが明確にはならないため本記事では将来像をイメージするための考え方を説明していきます。

目次

自分の欲求・価値観を把握する 

どのような立ち位置でどのような仕事をしていたいのかという将来像を考えるとき、理想となる将来像はみなさんそれぞれが持っている欲求や大事にしている価値観に根差しています

これはどういうことかというと

思い描く理想像は現在から努力を続けていった結果、手に入れられる未来であり、努力をし続けられる根拠・理由は各人個別の欲求や価値観を拠り所としている

ということです。

それではどのようにベースとなる欲求や価値観を探り出せば良いのでしょうか。まず初めに必要となるのは過去の特徴的な出来事・行動事実を振り返ることです。(下図参照)

※特徴的な出来事とはあなた自身の中でインパクトが大きかったこと、大きな覚悟を必要としたな決断経験などを指すので、周囲の人から見た時にイベントとして大きかったことであることや、大それたことである必要はありません。

※行動事実とは過去実際に起こした具体的なアクションのことを言います。やりたかったこと、やろうと思っていたことは含まれません。 

周囲から何を言われたわけでもなく、積極的に取り組めている、自発的に行動を起こしている、執着している。このような状況を上の図では「モチベーション・満足度が高い」状態と考えます。

人は行動を起こす時に意識的であれ、無意識であれ、その背景に行動の理由を持っています。例えば

①「テストで勉強を頑張る」という行動においてその背景には「親に褒められるために良い点数を取りたいから」といった理由があったり

②「海外に留学をした」という行動の背景には「普段の自分の身の回りにはいない多様な人種の人たちと接点を持つことで色々な価値観に触れたいと考えていた」という理由があったり

③「仕事の目標を常に150%で達成するように活動を設計していた」という行動の背景には「目標を達成して周囲に褒められるのが嬉しい」「負けず嫌いで誰にも成果で負けたくない」という想いがあったりします。 

さらにこの行動理由から自分のどんな欲求や価値観をベースとしたものかを考えていきます。

①であれば承認欲求、②であれば多様性を大事にする価値観や探究欲求、③であれば達成欲求やもしかしたら反骨心や挑戦欲求などといったものもあるかもしれません。言語化に正解はないので自分の中で一番しっくりくる言葉を選んでいけば良いと思います。

培ったスキル・経験と欲求・価値観を紐つけて理想像を描く

転職する人にとって中途採用は新卒採用と違いこれまでのスキル・経験も企業側の合否の判断軸になります。そのため第二新卒など未経験のポテンシャル採用を除けばこれまでのスキル・経験を無視して将来の理想像を語ることはできません。社内の公募制度などを活用してキャリアアップを図るときも同様でしょう。

また理想像を語る際に大事になのはある程度の具体性が求められるということです。

年齢にもよりますがどのような業種、職種、役職でいつくらいにその理想を叶えたいと思っているかを語れる必要があります。そのため業種ごとのマーケット状況の理解や職種ごとの具体的な業務内容、必要な能力の把握は必要になります。

ただこれらはインターネットで検索をすれば大手転職サイトなどから情報を把握することはできますし、転職エージェントとの話の中でも情報収集はできるので事前にきちんとリサーチをしておきましょう。

【参考】

職種別 仕事プロファイル | マイナビ転職

https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/profile

全100職種の仕事をリアルに知ることができる! Job Gallery【リクナビNEXT】

https://next.rikunabi.com/jobgallery/all_jobs/all_jobs.html

その上で将来の仕事人としての自分の姿を

・いつごろ

・どのような業種・職種・役職において

・どのような自分の特性を通じて

実現していくことが自分の理想なのかを言語化してみてください。理想像の業務内容等と自分の欲求・価値観、そしてこれまで培ってきたスキル・経験が全て紐ついていることが重要です。

ここまでできれば申し分ありません。

【参考】過去の振り返りにおける着目ポイント 

 採用する側の企業が面接の際に確認したいと思うポイントを把握しておくことでどこに着目しながら過去の出来事・行動事実を振り返ると効果的かがわかると思います。過去私が面接のときに確認しにいっていた項目を抜粋して質問例やその質問をしている理由・背景もお伝えします。

意思決定スタイル

例)入社した会社、入学した大学や高校、選んできた部活やアルバイトをそれぞれなぜ選んだのか。 

意思決定のスピード(決断力があるのか、優柔不断か)や意思決定の際に介在してくる周囲の人(両親や友人、恋人など)が出てくる可能性が高いかを把握しようとしています。また自分の意思で決めてきたか、友人などの存在によって決めてきたかによって自立性の高さもみていました。 

ストレス耐性

例)これまでの挫折経験にはどのようなものがあるか。またそこからどう立ち直ったか。 

挫折経験をヒアリングすることで候補者がどの程度の逆境まで耐えうるのかを把握することができます。自社の業務において想定されるプレッシャーと対比することで入社後も負荷に耐えうるかどうかを確認していました。 

自己認識

例)友人からどのように思われているか、見られているか。またそれに対してどう感じるか。 

自己認識に他者からの客観的な視点を持てているかを確認します。他者からの認識と自己認識に大きくズレがある際には注意して確認するようにしていました。これは入社後に自己評価と査定などの他者評価に乖離が生じやすい可能性を示唆しており、短期離職などのリスクにも通じると考えていたからです。 

こだわりの強さ・やりきる力 

例)過去最も力を入れて頑張って来たことは何か。またなぜ頑張れたのか 

自身の仕事にこだわりを持ちやりきることはどの職種の社会人にとっても重要です。過去注力した行動事実を把握することで自ら動機形成することができるタイプなのか否か、目標に対してのコミット力があるか否かを把握しにいっていました。こだわり、やりきった経験が複数出てくる候補者は再現性が高い場合も多く、仕事においても同様に取り組むことができる可能性があると判断していました。 

当事者意識 

例)過去所属した組織の中でどのような役割を担って来たか。また何を意識して取り組んで来たか。 

集団の中の立ち位置を確認することでそもそもリーダーシップを発揮しやすいタイプなのか、フォロワーに回るタイプなのか等、組織の中での立ち回り方を想定していたほか、周囲との関わり方のスタンス(積極的に働きかけるか、待ちの姿勢が強いか等)を把握することで物事をどれだけ主体的に捉え動くことができるタイプなのかを把握しにいっていました。 

なお、ここまで考えてくるにあたって自分一人の力で考え抜くのはなかなか難しいため、友人や家族、転職エージェントや同僚などから都度フィードバックをもらいながら進めていくこともおすすめです。

何かを深く考えていく際には内省(自分自身と向き合い、自分の考えや言動を振り返り、気付くこと)と対話(視座・視点の違う他社からのフィードバック)が必要です。この二つは両輪の関係でそれぞれを同程度行うことで考えがまっすぐ進むものとも言われています。

 是非適切に周囲に頼りながら将来の理想像を描き切っていただければと思います。

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