20代後半の戦略的な転職術 30代のキャリアを飛躍させるための戦術の作り方

20代・30代のキャリアの成長戦略』でもお伝えした通り、20代、特に半ばを過ぎた26、27歳からのキャリアにおいては仕事への向き合い方、スタンスを醸成させた上で、30代で大きく羽ばたくための成果や実績を作っていくことが大切になります。今回はこのプロセスにおいて大事なポイントをまとめていきたいと思います。

目次

成果や実績を出すための戦術骨子を確立する

企業風土や職種によって成果、実績をいかにして出していくかは変わると思いますが、ここではある程度どの会社でも通用しそうな戦術を共有します。私個人の実体験に基づくものに過ぎないためアップデートしながらみなさん自身のノウハウを確立して行っていただければと思います。転職をする際には成果や実績だけではなく、どのような考えで何をやってきたかというプロセスも当然に重要視されます。ぜひ再現性の高い戦術を確立していっていただければと思います

“いま”を改善し続け自分と周囲に役立つ“さき”を創る

組織というものは完成系がなく、常に理想を追い求めるべきものだと思います。「現状の課題を発見し、周囲や自分が働きやすい場に改善していく」ことを念頭に業務の効率化、改善を行っていました。

これは当時の私のミッションとして明言されたものではありませんでしたが、他部署とも折り合いをつけながら粘り強く続けた結果最も評価に直結したと感じています。もちろん途中経過においては現状から変えることに対してネガティブな意見が出やすいことも確かです。ただ経験上、思い描く理想的な状況を伝えていくこと、根気強く説得していくことで最終的には納得して動いてもらえることが多かったと感じています。

現状を変えることには大きなコストを払いますが、その分実現できたあかつきに得られるメリット(評価や感謝)も非常に大きいものでした。

判断の視座を高める

メンバーとして業務をしているとどうしても会社の方針によって振り回されることがあります。

これは企業が常に競争環境に置かれているため変化をし続けなければ生き残れないため、経営陣は敏感にマーケット状況の変化を捉えながら方針を変えていくことが求められるためです。

自分の業務を一作業として見ているとやったことが無駄になったと感じたり、変化が激しいと常に目の前の仕事に対応することで手一杯になりがちになったりします。

しかし経営陣が今後どのような戦略を考えているか、上司は会社の方針を元にチームの舵をどう取るかと、視座を高くして自分の業務を俯瞰することで、変化に対しての拒絶感が緩和でき、さらには変化を予測しながら自分の業務に当たることが可能になったと思っています。

ブラックボックスを作る

当時私はマーケティング業務を得意としていましたが一般的にはデータ収集、加工、分析、アウトプット資料の作成と手間のかかる業務でした。当時社内のマーケティング業務は各部署が独自に行なわれている状況で大半の社員は煩わしさを感じていたため、最新データの取得だけ行えばあとはExcelやVBAを活用してボタン一つ押すだけでアウトプットまで完成する仕組みを作りました。これにより大幅に業務が効率化され、スピード感早く大量にアウトプットを出すことができるようになったため社内のほぼ全てのマーケティング業務は私が行うことになりました。

この状況を作り出すことで「どうやっているかはわからないけれど、社内の多くの人が感じていたフラストレーションを一社員が解決している」ことになり、周囲の同僚だけでなく、他部署の上司からの評価も集めることになりました。ただこのやり方は評価を上げるためのテクニックだと思うのであくまでベターな方法の一つに過ぎないといまは感じています。

社内のキーマンを発見する、フォロワーを作る

いわゆる社内の人脈作りです。組織はそれぞれの部署が責任を持って業務を行うことで前に進むことができます。各部署にいるキーマンを見つけ、懇意にしておくことで何か自分が困った状況に陥ったときや融通を聞かせて欲しいときにその人脈を活用していました。

また自分の仕事に対する考え方などを定期的に周囲に発信しておくことでそれに共感してくれる人を作ることで一時的にマンパワーが必要な業務が発生したときや業務改善を行う際の後押しをしてもらっていました。

愚痴を言わず意見を述べる

愚痴はネガティブな共感を生み出しますが組織にとっては百害あって一利なし、です。疲労感やモチベーションの低下の発端となるため意識的に口をこぼさないように注意を払っていました。

何か理不尽や膨大な業務が発生したときには一度それを受け止め、どうすれば自分が抱えた問題を解決できるのか、少しでも現状から話を前に進めることができるのかを考え、建設的な意見をアウトプットするように心がけていました。

どうしようもない状況のように一見見えていても周囲と建設的な意見交換をすることで意外とすんなり解決できることも多かったように感じています。三人寄れば文殊の知恵ですね。

社内の「めんどくさい」を積極的に拾いに行く

事業もそうですが人が「めんどくさい」「不便だ」と感じることに対してその解決方法を提示していくことには非常に価値があります。マーケットに展開されているサービスの多くは世の中のだれかの「負」を解決するために提供されています。

会社の中でも同じで社員が「めんどくさい」と感じていること、例えば特に担当者が固定されていないが社内で恒常的に発生する業務などはそれを解決することで多くの感謝が集まり高評価につながることが多かったと感じています。

評価は上司や周囲の主観と紐ついていることを理解する

転職支援を行なっていると評価制度に対する不満をしばしば聞くことがあります。

「自分は努力をしているのに評価をしてもらえない」という状況のことを指しているのだと思いますが評価は自分が決めるものではなく、他者(同僚や上司)が決めるものであることは覚えておいて欲しいと思います。

厳しいことを言えば、自分なりに努力をしていると思っていても周囲の人がそう思っていなければその努力は無価値ということになります。

このような状況を回避するためには他者からのフィードバックが非常に重要になります。耳が痛いことを言われる可能性もありますが周囲が現状の自分に対して何に満足をしていて何に不満足なのかを把握することで足りない部分の改善に取り組むことは非常に重要です。かくいう私も社会人3年目までは全くできておらずそれが壊滅的な評価に繋がっていたと思います。

直面するトラブルに立ち向かう

サラリーマンをやっていると強烈な理不尽や想定外のトラブルに見舞われることがあると思います。もちろん自分のメンタルが壊れてしまうまで頑張る必要はありませんが、辛さから逃げるために転職をしてしまったり、ひとのせいにして難を逃れようとしたり、万が一それでうまく行ったとしても逃げ癖がついてしまい結果大きなトラブルを招くことになります。

一人で解決できなければ誰かを頼るなど他の解決手段を駆使して乗り切るようにしましょう。

これはいわゆる当事者意識と呼ばれるものにもつながります。他責傾向は一般的な転職の面接の場において一発アウトになる項目なので逃げ癖が使いないように意識してください。

成果にコミットする

成果はポジションや役割によって求められるものが変わりますが、この項目の意味合い的には考えうるすべての手段(社内政治やコスいごますりなど含めてすべてです)を使って結果にコミットするということです。

もちろん100%全てがうまくいくわけではないですが、やり切ることで自分のメンタルを自分で保全しやすくなるのと、限界を知ることで次何が出来るようになればさらに大きな成果を生み出せるのかを知ることができます。

雇われ根性を捨てる

リーマンショックを体験してある程度の規模の企業すら抗えないものがあることを目の当たりにしたことが、私がこの考え方を持ち始めたきっかけです。

企業にとって不測の事態が起きたときに最終的に自分の身は自分で守ることしかできません。

私は2社目では自分の給与の1.5倍(社会保険等を考えると企業は自分の給与の1.5~2倍はコスト負担を強いられているため)は何かしらの形で会社に利益をもたらすことを意識してきました。バックオフィスという本来収益を稼ぐ部署ではなくても自身の人脈を通じて案件をとってきたり、業務改善を通じてコスト削減をしたり、常に利益に貢献することを意識することでいつ何が起こってもマーケットから欲しいと思ってもらえる人材で居続ける工夫をしてきたつもりです。

すべてが役に立つとは思いませんが、少しでもみなさんの参考になれば嬉しく思います。

機会へのアンテナを常に立てておく

明確に現時点で転職を意識していない方も常にマーケットの中で経歴がどのように見られていて、どのような機会が周りにあるのかは意識しておくことをおすすめします。

キャリアにおいてやりたいことは常々変化していくものだと思います。

そのため変化していく自身が求めるポジションに対して、どのような差分が現時点であるのかを常に把握しておくことは非常に重要です。

またマーケットには常に新しいサービスや企業が出現していきます。そのため想像もしていなかったポジションでこれまでの経験やスキルが重宝されるということもあります。

ビズリーチやキャリアカーバーといった多くの転職エージェントが利用している転職サイトに登録をしたり、LinkedinのようなSNSに常に最新の経歴をアップデートして登録をしたりしておくことで機会は自然と寄ってくるということもあります。(おすすめの転職サイトや転職エージェントはまた別記事でまとめていきたいと思います)

社内の機会だけに視野を閉ざすことなく常にアンテナを立てておくことでより成果や実績、知見が積み上げられる機会に接点を増やしていただければと思います。

転職は短期と長期の両視点で判断

ある程度スキル・経験や成果・実績を積み上げてくると培ったものを他の会社で試したくなる方もいると思います。また現職の業種よりもより伸びていく可能性の高い異業種にキャリアを移したいと思う方も出てくるでしょう。

そのような転職の際に企業から特に注目して見られるポイントに「現職と転職先の業務難易度の差」があります。

例えば現職よりも規模感の大きなサービスや企業に転職をしようとすると、社内で話を通していくためにより多くの人を動かしていかなければならないという合意形成力であったり、ビジネスをグロースさせていくために設定しているKPI、KGIの設計の粒度の違いであったり、求められる視座の高さの違いであったりがそれにあたります。

企業は「このくらいの年齢であれば、ここまではできて欲しい」という採用するポジションに対してある程度の目線を持っています。この企業が求める要件に対して自身のスキル・経験が足りないといったシチュエーションに直面した場合は、その転職におけるメリット・デメリットを踏まえて慎重に判断しましょう。

例を挙げるとすると、面接でスキル経験が足りないという理由でもっとも希望していた企業の選考に落ちてしまった場合、志望度の下がる企業には転職せずに現職にとどまって足りないところを意識しながらさらにスキル経験を積み増した方が良いのか、もっとも希望していた企業ではなく志望度は少し下がるけれども転職の目的(例えば異業種や異職種への転職)を果たせるので今のタイミングで移っておいた方がいいのかといった極めてナイーブな判断が必要なケースです。

このようなケースでは現時点だけの短期の視点だけではなく、今後想定しているキャリアの実現可能性を踏まえた長期の視点も必要になります。近視眼的な観点に固執することのないように注意していただければと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次