面接は企業に対する理解を深める場であり、ご自身をプレゼンテーションし、面接官にあなたを欲しいと思わせるネゴシエーションの場でもあります。
常識的な作法から事前に準備しておくべきことまで準備不足での失敗を防ぐためのチェックリストを公開します。
当日の動き方
・事前に所要時間を確認
転職活動における企業との接点は想像以上に少なく、通常2〜3回程度しかありません。そのため面接時間に遅刻することは致命的なマイナスポイントにつながります。企業の所在地などは事前に調べ、所要時間を確認しておくようにしましょう。止むを得ず(電車の遅延など)遅刻してしまう場合は紹介会社もしくは企業の人事担当になるべく早く連絡し対応方法を仰ぐようにすることが必須です。
・開始時間5分前に到着
遅刻してしまうことはもちろん厳禁ですが、早く到着しすぎることもマナーとして疑念を持たれる可能性があります。目安としては面接開始時間5分前に到着することを意識していただければと思います。
身だしなみ
・許容度は企業の組織風土によって異なる
応募した企業の組織風土によって当日の身だしなみに求められる要件は異なります。フランクな組織風土であれば私服に近い格好でも問題ありませんが男性はスーツ、女性はスーツもしくはそれに準ずるビジネスカジュアルが基本だと考えておいていただければと思います。不安な方は紹介会社に事前に確認をとっておくことをお勧めします。
面接開始時の注意点
・挨拶
面接の結果は面接官とのコミュニケーションが開始されてから数分で決まってしまうと言われたりもします。そのため初期接触時にマイナスポイントを受けないように挨拶の時は立ち上がる、笑顔で挨拶という良い印象につながるような振る舞いを意識していただければと思います。緊張しやすい方は特に内向的な印象を相手に与えてしまうこともあります。自分なりの緊張をほぐすためのアイスブレイク方法を事前に準備し、相手に対してオープンに接しているという印象を与えるように対策をしましょう。面接はこれまで培っていたスキル・経験が評価されるのに加え、企業によっては意向の強さ、熱意、熱量といった定性的な印象によっても結果が左右されるためどのように振る舞えば相手に良い印象を持ってもらえるかも意識していくようにしていただければと思います。
よくある基本的な質問事項
・これまでの経験・スキル
中途採用は即戦力として活躍していただけるかを見られます。(若年層の場合は活躍できるポテンシャルがあるかも見られます)そのためこれまでのご自身の成果やトピックとなる経験さらに、それらを通じて身につけたスキルは言語化し伝えられるように準備しましょう。
・現職、過去在籍企業の入社理由
どのような考えでこれまで会社を選んできたかについてはほぼ確実に確認されます。これはご自身の志向性や判断基準、さらに意思決定の際に筋よく物事が判断できているかといった観点でのチェックポイントとなります。
・転職理由
転職を考えるきっかけは人それぞれですが、転職理由にはネガティブ(現職への不満、現職で手に入れられないもの)な理由、ポジティブ(やりたいことがある、手に入れたいスキルがある)な理由が混在しています。そのため転職理由を答える際のストーリーは以下のような骨子で受け答えいただくと面接官の理解を得やすい傾向にあります。
a)将来的には○○になりたい、○○ができるようになりたいと思っています。
b)それに対して現職では○○が手に入りづらい、○○を手に入れるのに時間がかかるため、
c)そのため転職という手段を通じて実現をしていきたいと考えています。
a)がポジティブな理由、b)がネガティブな理由となります。
ネガティブな理由だけを伝えるのではなく、ポジ・ネガの両面から説明できるようにしておきましょう。
・将来的な目標像
転職理由の項目においても考えるべき、「将来」についての話は転職をする目的でもあるためきちんと言語化しておくことが必要になります。将来の話のためこの部分を考えきることができず、つまずく方も多くいますが、このポイントが固まらないと面接官に伝えるストーリーがぼやけてしまったり、抽象度の高い話になってしまったりと面接官に不安を抱かせる大きな理由となり、結果不合格に繋がりやすくなるためしっかりと準備するようにしましょう。
・逆質問
面接の最後の時間帯に「何か質問はありますか」と聞かれることがあります。その場で取り繕った質問は考えが浅い、場当たりな印象を残してしまうため事前に聞きたい項目を準備するようにしましょう。仮に入社した時を想定してみると確認したい事項が想像しやすくなります。なお、給与や賞与、残業時間といった項目は面接官によってネガティブな印象を持ちやすい項目のため紹介会社を通じて確認する、もしくは質問して良い項目かどうかを事前に確認しておくことをお勧めします。
質問の受け答えの注意点
・端的に結論から話す
面接で落とされる理由の一つとして「話が冗長だった」という評価があります。だらだらと話し続けることは論理的思考力や物事の構造的理解力が欠如している印象を相手に与えてしまします。そのため聞かれた質問に対しては結論から端的に受け答えができるように準備をしておく必要があります。
・他責発言をしない
上記の他に面接で落とされる理由には受け答えの中で会社や周囲の人のせいにしている発言、いわゆる他責傾向が見受けられた、というものがあります。これは転職理由を説明する際の受け答えの中でネガティブな理由を説明するときによく見受けられます。他責傾向のある候補者は企業側からすると、何か嫌なことがあったときに自ら改善を心がけたり、周囲に影響力を発揮して良い変化を起こしたりせずに、同じような理由で辞めてしまうのではないかという懸念を抱かせることになるためくれぐれも注意しましょう。
・深掘りに対応できる準備
転職を考えたきっかけや将来に関する質問に回答した際に、さらに「なぜそうしようと思ったのですか」「なぜそうしたいと思っているのですか」と回答を深掘りされることがあります。これは深く思考する能力(思考体力)の確認や本当にそう思っているかどうか判断ができかねるため深掘りすることで真相を探るために行われることです。最低限想定される質問事項については携帯を使うなり、ノートに書き起こすなり言語化をしておくようにしましょう。